逃亡日記。

散歩と映画と本がすきだ。

日記「不安は魂を食いつくす」

2024年6月10日 月曜日 日記

 映画『不安は魂を食いつくす』は、人生のベスト映画に入れたい。最期は、この映画を観ながら死にたいとさえ思う。年老いた掃除婦と移民労働者の愛を描くファスビンダーの傑作である。傑作なんてわたしが言わなくてもいいが、やはり傑作と言いたい。何が何でも傑作だ。だれがなんと言おうが傑作だし、死ぬ前までに観たい映画だし、死ぬ前に観たい映画だ。

 『不安は魂を食いつくす』という題名は、素晴らしいと思う。もうわたしは食いつくされて、ずたぼろだ。そんなずたぼろの精神で読んだ本、それもまた傑作だった。

 アンナ・カヴァンアサイラム・ピース』である。 

 各話数頁しかないが、どれも閉塞感や不穏さが、満ちている。その密度が凄い小説なのだ。「不安は魂を食いつくす」というフレーズが合う本だった。