逃亡日記。

散歩と映画と本がすきだ。

日記「とりあえず、駆け出したい」

2024年6月11日 火曜日 日記

 とりあえず、駆け出したいと思った。わけのわからぬ、ぐわっと湧き出るようなエネルギーを感じて、なにか行動を起こさねばと思い、とりあえず、外へ出るが、行きたいところもなく、行かねばならぬところもなく、ただ街を彷徨い、結局、辿り着くのが、書店だったということが何度かあった。

 

 定期的くるこの感情「何かわからないが、動いていたい」という衝動をどうにか制御したいのだが、なかなか難しい。思い返せば、高校生だったころ、この衝動を感じたわたしは、自転車に飛び乗り、片道10キロ近くある山道を登り、山間にある美術館に行ったことがある。そのとき、美術館は冬季休業中とやらで、入場することもできず、また10キロの山道を下り、家に戻ったときには、脚が疲れ果て、痙攣を起こして、立ち上がることさえ出来なかった。

 

 また、あるときは、高校の教師に「馬鹿野郎」と言い放ち、高校を飛び出したが、根っからの小心者ゆえに、警察に通報されたらどうしよう、捜索願いを出されたらどうしようなどと考え、コンビニエンスストアに立ち寄り、電話を借りて、担任に電話をして「今日は帰ります」などと言い、これで捜索願いは出されぬだろうと安心したが、着の身着のまま飛び出したゆえに、財布も携帯ももっておらず、家までの30キロの道のりを歩いて帰ることになったが、そのときも、やはりあの衝動が根底にはあった。

 

 そして、またあるときは、などと重ねてもしょうがあるまい。いまのわたしは、とりあえず顔もわからぬだれかに向けてこうして書くことによって、気持ちを抑えている。